いかにもホラーっぽい表紙が目を引く、「ばけもの好む中将」シリーズの瀬川貴次氏の怪奇・ホラー系短編集。別名義含めた雑誌掲載作4編に書き下ろし3編を加えた計7編収録。
瀬川さんの短編集といえば、別名義(瀬川ことび)名義で出されていた作品が印象に残っていたので今回もそういう感じの作品集を想像していたのですが、ちょっと思っていたのとは違うテイストでした。別名義短編集は真面目に考えるとこわいシチュエーションでも不思議とユーモラスだったり、なんだかんだあってもラストは意外と後味悪くなかったりだったんですが、今回収録されている作品は、なんか微妙に気持ちの悪さが残る感じがありました。いや、ホラー・怪奇物としてはそれが普通だし、内容は悪くなかったんだけど。
気に入ったのは、やっぱりことび名義作品集に雰囲気が近かった「廃団地探検隊」と「私のお人形」「私のお人形 その後」かな。「私のお人形」読了後、表紙がほのぼの記念撮影に見えてくるのはきっと仕様(笑)